民事再生の取扱い

その行使=期限前返済により、銀行はあてにしていた利回りの資産を失う。 結局金利が上がれば預金の期日前解約が増え、下がれば貸出の期限前返済が増えるので、こうした潜在的なオプションを計算に入れて預金やローンの金利が決められる。
普通預金や貯蓄預金といった流動性預金(期間の定めのない預金)の金利にもオプションが絡む。 いつでも払い戻せるということは、預金者はつねに払戻請求書を銀行に「押しつけて(プット)」現金を得る権利=オプションをもっているのである。
だから流動性預金金利は、銀行が期限の利益をもつ定期性預金の金利よりも低くなる。 ではどうやってその金利が定められるのだろうか。

仮に1カ月物定期預金金利を2%、1年物金利を4%としよう。 貯蓄預金、普通預金の金利はどの程度になるだろうか。
金利に詳しい読者ならば、それぞれ例えば1.8%、0.5%といった数字を思い浮かべられるだろう。 しかしなかには普通預金でもすぐに引き出さず、1カ月程度は置いておくので、1カ月定期の金利2%程度は付利して欲しいと思う方もいるかもしれない。
一方で心配性の銀行員は、払戻し請求があればすぐに支払えるように現金を用意しておかねばならない(つまり運用できない)ので、なるべく金利はゼロに近づけたいと思うかもしれない。 そう考えると、貯蓄預金と普通預金の金利差が大きい(貯蓄は定期に近く、普通は無利息の当座に近い)のも、なんとなくわかりにくくなってくる。
個別の流動性預金金利がなぜその水準にあるのかを説明するのは難しい。 定期に近い金利を普通預金に付けている金融機関もある。
しかし都銀のように大規模ネットワークをもっていれば、普通預金はいつでも引き出せるし、公共料金の口座振替などの広範な自動支払いもできる。 そうした利便性が高ければ、金利は低くても競争力はある。
都銀の貯蓄預金は利便性が高いにもかかわらず定期に近い金利設定がなされている。 逆に営業地域やネットワークが限られた銀行であれば、普通預金にも比較的高い金利を付けないと競争力を失うおそれもある。
つまり同じ預金であっても都銀Aと地域金融機関Bとでは別商品なのである。

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